2020年より、当医院ではインプラントは原則行っておりません。当院で今までにインプラント治療をされた方は勿論、メンテナンス等には対応致しますのでご安心下さい。
Q :例えば下の写真の様に歯が一本抜けてないんですけどどうしたらいいですか?
A: 通常は保険の効く治し方で、抜けた歯の両脇の歯を削って下のような3つつながったブリッジと言われる被せ物を入れ、セメントでくっつけることが多いのですが長期的に見てよくありません。
なぜなら①のように歯の形をした物(ダミー)が歯茎の上にすぐ乗っかっており掃除をしにくいので歯槽膿漏やカリエスの原因となる。②のように咬む力を2本の歯で受け止めないといけないためそれぞれ1,5倍の力が両脇の歯にかかりもちが悪い。かといって何かしら歯を入れないと反対側の咬み易い方ばかりで食べ物を噛んでしまい片側そしゃくとなり、同側の歯の持ちが悪い。また片側そしゃくは片側ばかりの筋肉を使ってしまい顔の変形、肩こり、頭痛、顎関節症の原因となってしまう。これは取り外しの入れ歯にしても同じことが言えます。そこでわたくしの歯ならインプラント(人工歯根)にすると思います。
上図の③のように新しか生まれ変わったように新しい白い上等な歯が入ります。清掃性は良いし、両脇の歯は削らなくてよいし、自分の歯の様に自然に咬め言うことなし!ただし自費扱いになります。
インプラントは顎の骨が十分あれば難しいものではありませんが、顎の骨が少なくなればだんだん難しくなってきます。他院で顎の骨が少ないからインプラントはできないといわれた方はご相談ください。
インプラント治療例1
上のCT画像(前頭断画像)のように上の奥歯のあご骨が厚さ1mmしかなくてもインプラントはできます。
上顎洞粘膜を特殊な道具で剥離して持ち上げてその隙間に白砂のような人工骨を入れていきます。これで6か月待てばインプラントがしっかりと固定されきれいな白い歯を入れることができます。
通常の2次元レントゲン画像です。このようにして2本のインプラントを入れました。一見、2次元画像なので上顎洞にインプラントが突き抜けているように見えますがCT画像を見ればそういうことはありません。このようなインプラントのやり方をサイナースリフトまたは上顎洞粘膜剥離挙上術といいます。
インプラント治療例2
例えば下の写真の様に根っこが2つに割れていては残せないので抜歯になります。
抜歯して1か月くらいして歯茎に傷口が覆われたら、インプラント開始です。しかし下の写真のようにCT画像で見ると骨の最も厚いところで4mmくらいしかありません。
さて、上あごの大臼歯ですから10mmくらいの長さのインプラントは必要かと思われます。下も天然の歯ですから十分咬む力は強いと思われます。でも骨の厚みは4mmくらいしかありません。しかし10mmのインプラントを入れることができるんです。患者さん向きなので簡単にご説明しますと上顎洞粘膜を破れないように特殊な器具で持ち上げその隙間に白砂のような人工骨入れ6か月待てば人工骨が骨になり普通のインプラントのように白い歯を入れられるというものです。昔はオステオトームと言って先端の丸いドライバーみたいなものをマレットという金づちみたいなものでカンカン叩きながら上顎洞粘膜を上げていましたが、なにせ頭に響いて不快な表情をしたりしているので、最近はわたくしはリフティングドリルという特殊なドリルで粘膜を上げています。
上のレントゲン写真のように十分10mmの長さのインプラントが入りました。
インプラント治療例3
下のCT画像は上の前歯あたりの上顎の断面です。ちょうど左上の1番目の歯が抜けて無くなっていてそこの断面です。長さ12mm太さ4,1mmのインプラントくらいは入れたいのですがどうも十分なあご骨の幅がありません。
そこで下のCT画像の様に人工骨を入れて骨を作ります
そうすると上のCT画像のように上顎の骨ができて、下のCT画像の様に十分な大きさのインプラント(人工歯根)を入れることができます。
このように最近は骨を作ってまでインプラントを入れる人は多いです。ここから上あごの場合は6か月待てば化学的にも骨とインプラントがくっついてきれいな白い前歯を入れることができます。これまでの間は仮歯で過ごしていただきます。