歯のそうじ

なぜ定期的な歯のそうじが必要なのか?

 私はいつも歯をきれいに磨いているし糸ようじもしているし、鏡でのぞいても何も汚れていないから歯医者に歯のそうじに行かなくても大丈夫!なんて思っているあなた。もしそう思っている人がいればそれは間違いです。ではそれは何故でしょう?

歯肉溝

 上の図の様に健康な歯でも歯と歯茎の間には隙間があります。上の図のように深さを測る針のような道具で深さを測ると3mmくらいは入るものです。

歯周ポケット

 上の図の様に歯槽膿漏(歯周病)になると歯茎の高さはそんなに変わらなくても歯を支えている骨がとけるため4mm以上針が入ります。中には7mm、8mm、すごく入る人は10mm、12mmとか入ったりします。そして

縁下歯石

 上の図のように歯の汚れ、歯石というものは見えない歯と歯茎の境目の中にまで付くのです。これは健康な歯でも歯槽膿漏の歯でも隙間があるので同じことです。歯ブラシで隙間の中を磨こうとしても深さ1mmが限界と言われています。それ以上隙間に歯ブラシを入れようとすると歯茎を痛めてしまいます。つまり見えるところは自分の家でしっかり磨き、磨けない隙間の奥は歯医者で定期的にそうじをするということです。もちろん見えるところについている汚れ、歯石も歯医者では落としますが、見えない間隙の中も重要なのです。通常は先の尖った超音波器具で落としていきますが、振動が苦手な人は手用の器具で落としていきます。また、この汚れや歯石とは別に、

バイオフィルム

 上の図の様にバイオフィルムと呼ばれる人の目には見えない透明な膜で歯の表面は誰でも汚れているものです。口の中の常在菌が歯の表面のたんぱく質成分にくっつき自分の体が流されないように透明な粘液で包んでいきます。これによって目に見えない透明な膜ができるのです。この膜は歯ブラシでは落とすことができません。歯科の専門器具で掃除するしかないのです。よく歯医者で歯の掃除をした後に舌で歯の表面を触るとつるつるした感じになっているのに気付いた方はいらっしゃいませんか。これはバイオフィルムという透明な膜状の汚れが落ちて本当の歯の表面が見えているからです。このバイオフィルムも虫歯や歯槽膿漏の原因になります。だから歯科での定期的な歯のそうじが必要なのです。お分かりいただけたでしょうか?この定期的な歯そうじというのは予防歯科の1つです。定期的な期間というのは普通の健康な方で6か月に1度、4mmが多い方では3か月に一度です。散髪屋や美容室に定期的に通うような感覚で通って頂ければ幸いです。