みなさん顎関節症という言葉を最近よく耳にしませんか?顎の関節が耳の穴の前あたりにあります。指を耳の穴の前あたりに当てて口を開けると引っ込む部分がありますよね、この場所が顎の関節で顎関節(がくかんせつ)といいます。顎関節症とはこの部分に問題が起こることを言います。両側の場合もありますし、片側の場合もあります。
症状
症状としては、口を開けると音が鳴る。口を開けると顎関節が突っ張って余り開かない。口を開けると関節が痛い。あるいは上記の複合の症状です。
治療
顎関節症は生活習慣病とも言われています。それは今までの悪い習慣が重なってそれが原因となって現れるものだからです。では悪い習慣(原因)とは何でしょう。
うつぶせ寝をする
高い枕で寝る
下を向いて作業したりする時間が長い
頬杖えをつく
歯ぎしりをする
くいしばりをする
片側咀嚼をする
かみ合わせが悪い
上記のような8個ほどの原因が考えられます。これらの行為はすべて顎の関節に負担をかけます。それが顎の関節の限界に達したときに症状となり現れてくるのです。一つが原因の場合や複数が原因となっている場合もあります。複数が原因となっている場合方がかなり多いとも言われています。そこでまず治療は上記の原因を取り除くことから始まります。虫歯の痛みの様にぱっと治ると思わないでください。徐々に月単位くらいで軽減してくるものだと思ってください。一番下のかみ合わせが悪いのが原因に入っている場合は、歯科でしか治せませんがそれ以外の物は自分でコントロールすることができます。心当たりがある項目でご自分で正せそうな項目はご自分で、かみ合わせが入っている場合は必ず歯科にかからないといけません。とりあえず顎関節症の方は歯科に相談してみてください。
顎関節症の疫学
顎関節症の患者様は最近増加傾向を示し、虫歯、歯周病につぐ第3の疾患とも言われるようになってきています。平成23年の調査では25~29歳の女性で35%に関節雑音があり、10%は大きく口を開けると顎関節痛を自覚していると報告されています。患者様は20~30歳が多く女性が男性の2,3倍であるという報告があります。しかし年齢が上がると自然に患者数が減少してきます。つまり自然に少しずつ良くなってくる疾患とも言えます。
顎関節の自然経過を見た報告が多数あり、総じて言えば、3~4人に1人は関節雑音があって、自然に放っておくと、そのうち0~18%は症状が悪化するが、1年経過すると、その70%は症状が改善しているということらしいです。