虫歯は感染症であるというとびっくりされる方もいらっしゃると思いますが、実はHIVやB型肝炎のように感染症なのです。なぜなら生まれた赤ちゃんのお口の中は無菌です。それからいろいろな菌が住み着いていきますが、まだ歯が生えていないうちは歯茎にも虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌は見られません。それが歯が生えてきて生後10か月から30か月のうちにどんどんミュータンス菌に感染していきます。さらにそのお子さんが砂糖の入ったものをよく食べるお子さんでしたらミュータンス菌はかなりな勢いで効率的に感染してしまいます。2歳半くらいには口の中の細菌叢が出来上がり、ミュータンス菌が多いお子さんは虫歯がたくさん出来やすいという事態になってしまいます。一度ミュータンス菌がお子様のお口の中に住み始めるといくらブラッシングしようがなくならすことは無理なのです。ですからこの生後10か月から30か月という時期はミュータンス菌に感染させないようにすることが大事である時期です。なぜお子様のお口の中にミュータンス菌が感染してくるかというと保護者等一番身近な人たちからの唾液から感染してきます。保護者の方で一番接触する機会が多いのはお母さんではないでしょうか。唾液から感染するということはどういうことかというとお母さんがスプーン等で料理の味みをしてそのスプーンでお子様に食べさせたり、食器、はし等の使いまわしや、話すときの唾液の飛沫で感染していくのです。だからそれを考えると赤ちゃんにキスもできなくなってしまいます。だから特に周りに人の中でも特にお母さんが虫歯があってはダメでなのです。普段からしっかり虫歯治療や歯のそうじをしておきミュータンス菌を減らせておかなければなりません。大事な赤ちゃんにのために30か月目までは要注意なのです。ミュータンス菌が多く感染してしまった状態で2歳半くらいになるとその状態で口の中の細菌のバランスがとれてきてしまいミュータンス菌の多い子は一生多いままなのです。なので虫歯菌が感染するにしてもお母さんが虫歯治療、歯のそうじをマメに行い少ない虫歯菌の量を維持して、お子さんへの少ない感染でとどめさせておかなければなりません。それで2歳半まできたお子さんは虫歯菌であるミュータンス菌が少ない状態で口の中の細菌のバランスができあがり、一生ミュータンス菌が少ないままなのです。ミュータンス菌の少ないお子さんはミュータンス菌の多いお子さんと同じ量のお菓子を食べても虫歯になりやすさが違うのです。まずはお母さん、次にお父さん、おじいちゃんや、おばあちゃんがいる家庭はあじいちゃんやおばあちゃんも歯に気を使わないといけないのです。
虫歯菌と同じことが歯周病菌にも言われています。子供は成長力が旺盛で歯周病菌がいても子供のうちは歯肉炎にはなりますが、歯周病にはなりません。歯周病菌が多く2歳半までに多く定着したお子さんは20歳を過ぎればだんだんと歯周病になって来る可能性がたかいです。
家族単位で口の中の健康に努めましょう。