小児歯科(子供の治療について)

お子さんの虫歯は2歳くらいまではほとんどなく、3歳くらいになってから増えてきます。まず一番できやすいところは上の左右1番目と1番目の歯の間です。二歳半でも50人に2人位のお子さんがこの部位に虫歯が既にあります。次になりやすいのは上下左右両方の一番奥と、奥から2番目の歯の間と溝です。と言葉で言っても分かりにくいので展開図でご説明しましょう。展開図の見方はお子さんと向かい合ってお子さんがカバのようにあなたに向かって口を大きく開けたと想像してみてください。そうすると下の図のような形に見えます。黒く塗られている歯の間と溝が虫歯が出来やすい場所です。

乳歯の虫歯になりやすい場所

上の図を見てくださればお分かりだとおもいます。まずはなりやすい所を中心に歯ブラシをして、歯の間は歯ブラシでは無理ですので少なくとも上の図のなりやすい部分には糸を通してお子様が虫歯になりにくいようにしてください。

糸ようじ(フロス)の使い方

糸ようじ(フロスともいう)使用のイメージ。糸のみのものもあれば、やりやすいように柄が付いたものもあります。使い方が分からなければ歯科でご説明いたします。

糸ようじ(フロス)でピカピカ

ピカピカ!

糸ようじは歯と歯の間からの虫歯予防にとても役立ちます。


 

もし虫歯かと思ったら

歯科医師にまず虫歯かどうか調べてもらいましょう。色がついているから必ず虫歯とも限りません。たとえばエナメル質形成不全で、もともと色がついていたり、付いてきたりすることもあります。ただの茶渋のこともあります。また歯の裏側や、歯と歯との間からの虫歯は保護者の方では毎日見ていても分かりにくいことがあります。やはり最低でも6か月に1度は2~3歳になればフッ素を塗って歯を丈夫にするのも兼ねて、虫歯点検をお勧め致します。

 


もし虫歯だったら

歯磨きしている小児

お子さんの協力度によって、虫歯の進行度によって、あるいは痛みがあるかないか等によって、歯科医師が保護者の希望も考慮して最良の方法を提供することになります。大きく分けて下記の4つくらいの方法があります。またはこの4つの中で組み合わせた方法もとることもあります。

★治療する(3歳くらいから)

★虫歯の進行止めを塗る

★きれいに仕上げ磨きをして様子を定期的に観察する

★吸入鎮静器または鎮静シロップを併用する

 


子供さんの治療の協力度を上げるためには

頑張ったね歯キャラ

★普段から保護者の皆さんがお子さんが言うことを聞かないから、言うことを聞かそうとして「歯医者に連れて行って大きな注射をしてもらおうね」などと脅したりしないようにしましょう。たとえば「歯医者さんは歯を白くピカピカにしてくれるいい所よ」とか「悪いバイ菌マンをやっつけてくれるいい所だよ」とか上手にできたときは「上手にできたねお兄ちゃんだね」とか、お友達に「上手にできたって自慢しよう」とかプラスの言葉がけをして下さい。歯医者はできるだけ楽しいところだと思わせるようにしていてください。

★また、小さいお子様は聞かれたことに対して何でも「うん」と言ったりうなずいたりする傾向があります。そこで声かけするときは「痛い?」ではなくて「大丈夫だよね?」とか「何ともないでしょ?」とかプラスの声かけをします。

★ほかの所へ行くと言って歯科に連れてこない方がよいです。

★家で歯医者さんごっこをしてみてください。

★小児の(仕上げ磨き上達法)を参考に口の中を触られることに慣れさせていてください。

 

★自宅、医院で痛いという負の言葉がけをなるべく使わないようにします。お子さんは「痛い」に敏感です。痛いかどうかはお子さんの反応をみれば分かります。

 


痛い所はないが子供さんが実際に治療できないとき

★治療の椅子にも一人で座れないようであれば、先生は怖がられやすいのでまず女の子に優しく笑顔で接してもらい一人で座れるようになることです。まずは早く治療しようと焦らないことです。歯医者の女の子と遊びにくる感覚で根気よく10回くらいは練習で通う余裕を持ちましょう。

★時にはお母さんに治療台でご自分のお子さんの歯を磨いて慣れさせていただく場合もあります。

★次に女の子に歯ブラシで磨いてもらったり、歯医者の器械をみせて「これはこんなことするものだよ」とかって器具に慣れさせることです。この時、尖ったものは、あまり見せない方が良い場合もあります。

★何回も練習で通院しているうちに今日はできそうだというのが何となくわかります。そこを見計らって治療開始です。

★痛い所がないようであれば麻酔のいらない小さい虫歯から治療して慣らせていきます。

★お子さんの集中力は長くは続きません。長時間の治療には耐えきれないのです。基本的に保護者の方も忙しい中連れてくるのは大変だと思いますが、一気にたくさん治すのはあまりお勧めできない場合があります。そのお子さんの様子を見ながらということになります。保護者の方から「たくさん一気に治してほしい」ということであれば努力はしてみますが・・・・。 ・・・・の部分はご想像ください。


 

子供さんが痛がっているが治療に協力的でないとき

★食べ物が挟まると痛いくらいであれば、セメントをつめて治療の練習をしたりができます。

★何もしなくても痛い。これが一番難しい。いままで培ってきたあらゆる手法で試してみます。

★この事態に陥らないためにも上記に述べてきたことを実行してくださると幸いです。